春の一冊 ピンクパール
2005年 04月 06日
村上 康成 / 徳間書店
あっ、絵本って紙を使った総合デザインなんだ!
そのことに気がついて以来、絵本を良く見るようになった。
ストーリー展開が良くできているもの、遊べるもの、為になるもの、等々
今では子供が出来たおかげで
更に色んなタイプの絵本を楽しむ機会が増えたが、
やはり好きなのはデザインが美しいもの。
村上さんの作品は、自然の厳しさ、奥行きのあるカメラアングル、
緻密な描写でリアリティーがありながら、愛らしく柔らかいタッチで
いつも美しくデザインされているので、好きです。
なかでもこのヤマメの旅を描いたピンクシリーズの最終章、
「ピンクパール」は特にお気に入りの絵本で、いつ見ても泣けてきます。
たった十数枚の中に、生きる力、人の業、
そして春が持っている独特の美しさやはかなさが、凝縮されている作品。
春を感じる一冊です。(K)